S45C材の密度・硬さ・特徴を徹底解説｜機械構造用炭素鋼の選定ポイント

S45Cは、機械構造用炭素鋼の代表格であり、自動車部品や機械要素部品など幅広い分野で利用される重要な鋼材です。本記事では「S45C 材質 密度 硬さ 特徴」という検索意図を踏まえ、S45Cの物性値、特徴、加工性、用途についてわかりやすく解説します。設計や材料選定で迷っている方に役立つ情報を網羅しました。

メタディスクリプション： S45Cの密度・硬さ・特徴は、機械部品設計に欠かせない重要な指標です。本記事では密度の具体値や熱処理による硬さの変化、用途別の特徴を徹底解説し、設計者が選定に役立つ知識をまとめています。

S45Cとは何か

S45CはJIS規格で規定される機械構造用炭素鋼の一つで、炭素含有量が約0.45%の中炭素鋼に分類されます。炭素含有量が多いほど硬さや強度は増す一方で、靭性や延性は低下します。そのためS45Cは強度と加工性のバランスが取れた鋼材として非常に広く利用されています。

同じJIS規格で比較される材料としては、S20C（低炭素鋼で加工性重視）やS55C（高炭素鋼で硬さ重視）があります。これらの違いについては、S45CとS55Cの違いについて詳しく解説している記事をご覧ください。

S45Cの密度

S45Cの密度は約7.85 g/cm³で、一般的な炭素鋼とほぼ同等です。この数値は設計時の重量計算や応力解析において重要な指標となります。密度は熱処理によって大きく変化しないため、機械設計における基本物性値として安定して利用できます。

上記の比較表から分かるように、同じ鉄系材料であれば密度の差は大きくありません。しかし、アルミニウム（約2.7 g/cm³）やチタン（約4.5 g/cm³）と比較すると重量差は顕著です。構造物の軽量化を目的とする場合、これらの比較が重要になります。

S45Cの硬さと熱処理効果

S45Cの硬さは熱処理の有無によって大きく変化します。焼入れや焼戻しを行うことで、用途に応じた硬さ調整が可能です。以下は代表的な硬さの目安です。

• 焼きなまし（軟化処理）：HB 160〜190
• 焼入れ＋焼戻し：HRC 40〜50程度
• 高周波焼入れ：表面硬度 HRC 55以上

このように、S45Cは熱処理によって幅広い硬さを得られる万能鋼材と言えます。特にギアやシャフトのように表面硬さが要求される部品では、高周波焼入れが有効です。

熱処理の方法については、S45Cの熱処理と硬さ変化に関する記事で詳しく解説しています。

S45Cの特徴と用途

S45Cは以下の特徴を持つため、多くの分野で利用されています。

代表的な用途は以下の通りです。

1. 自動車のシャフト、ギア
2. 建設機械のピン、ボルト
3. 産業機械部品
4. 治工具や金型部品

加工上の注意点

S45Cは加工しやすい材料ですが、熱処理後は硬度が上がるため切削性が低下します。そのため、焼入れ前の荒加工と焼入れ後の仕上げ加工を分けるのが一般的です。特に高周波焼入れを行った部品では、表面硬度が高くなるため研削加工が必要になる場合があります。